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「アナエブリⓇ皮下注200mgペン」は、HAE発現の主要開始因子である活性化第XII因子(FXIIa)を阻害するファースト・イン・クラスのモノクローナル抗体製剤であり、月1回の皮下投与が可能な初のプレフィルドペン製剤
- HAE患者(日本人を含む)を対象とした国際共同第Ⅲ相試験VANGUARD試験から得られた結果に基づく承認
- CSLは、HAE患者さんの生活の向上に注力しており、40年以上にわたりHAEコミュニティを継続的に支援
CSLベーリング株式会社(本社 東京都港区、代表取締役社長 吉田いづみ)は、本日、ヒト抗活性化第XII因子モノクローナル抗体「アナエブリⓇ皮下注200mgペン」(一般名:ガラダシマブ(遺伝子組換え)以下、「アナエブリⓇ」)について、遺伝性血管性浮腫の急性発作の発症抑制を効能・効果として、厚生労働省より製造販売承認を取得しました。本剤は、月1回投与の初のプレフィルドペン製剤です。日本での承認は、オーストラリア、英国、欧州連合(EU)での承認に続くものです。
「アナエブリⓇ」は、全身の様々な部位で血管性浮腫を引き起こす原因である活性化第XII因子(FXIIa)を阻害する、日本で初めて承認された完全ヒト型モノクローナル抗体です。
CSLの エグゼクティブ・バイスプレジデント 兼研究開発統括責任者であるビル・メザノッテ医学博士は、次のように述べています。「アナエブリⓇは、遺伝性血管性浮腫(HAE)の管理における画期的な進展であり、本疾患に苦しむ患者さんに対し、患者志向の利便性の高い投与方法を通じて、長期的な疾患コントロールを提供します。「アナエブリⓇ」は、CSLが発見・開発し、承認を取得した初の遺伝子組換えモノクローナル抗体であり、HAEの研究と治療最適化に向けた40年以上にわたる当社の取り組みを象徴するものです。この重要なマイルストーンは、長年にわたるたゆまぬ努力の結晶であり、これを実現したCSLのチーム、医療従事者、そして患者の皆さまに深く感謝申し上げます。」
HAEは、希少で慢性的かつ衰弱を伴い、生命を脅かす可能性のある遺伝性疾患であり、再発性かつ予測困難な浮腫の発作を特徴とします。発作はしばしば痛みを伴い、腹部、喉頭、顔面、四肢など、体のさまざまな部位で発生します。HAEは、国の指定難病「原発性免疫不全症候群」の疾患の一つに認定されています。日本で診断・治療中の患者さんは約430名いるという報告1があります。海外のデータでは人口の50,000人に1人の割合で患者さんがいるといわれており2、日本にはおよそ2,500人の患者さんがいると推定されています3。
「アナエブリⓇ」の承認は、国際共同第Ⅲ相試験「VANGUARD試験」およびその非盲検延長試験における有効性と安全性のデータに基づいています。VANGUARD試験の詳細な結果は2023年4月に『The Lancet』誌4に掲載され、進行中の非盲検延長試験の主要結果は2024年10月に『Allergy』誌5に掲載されました。
CSL 研究開発部門 日本&中国のエグゼクティブ・ディレクター兼リージョナルリードであるローズ・フィダ博士は次のように述べています。「アナエブリⓇは、HAE発作の主要な要因である活性化第XII因子を標的とする、初めてかつ唯一の治療薬であり、画期的なブレークスルーとなる選択肢です。新たな作用機序に加え、月1回の皮下投与と使いやすいプレフィルドペンにより、日本におけるHAE治療のあり方を大きく変えることが期待されます。」
【「アナエブリⓇ」について】
「アナエブリⓇ」は、新規の第XIIa因子阻害モノクローナル抗体(抗FXIIa mAb)で、ブラジキニンを介する血管性浮腫の一種であるHAEの発作の発症抑制を目的とした月1回皮下投与が可能な製剤として、臨床試験第Ⅲ相を完了しました。「アナエブリⓇ」は、CSLが初めて承認を取得した自社開発の遺伝子組換えモノクローナル抗体です。本剤は、CSLのオーストラリアにあるBio21研究施設(Bio21 Institute of Molecular Science and Biotechnology)において、CSLの科学者によって発見、最適化され、臨床プログラム用の製剤化と製造はCSLブロードメドウズ・バイオテクノロジー製造施設で行われました。「アナエブリⓇ」は、血漿タンパク質である活性化第XII因子(FXIIa)を特異的に阻害します。FXIIが活性化されると、浮腫形成を引き起こす一連の反応が始まります。「アナエブリⓇ」はFXIIaを標的とすることで、この反応の最上流を阻害します。
2025年2月現在、「アナエブリⓇ」は2025年1月14日にオーストラリア医薬品庁(TGA)、2025年1月24日に英国医薬品医療製品規制庁(MHRA)、2025年2月11日に欧州委員会(EC)の承認を取得しています。
【「アナエブリⓇ皮下注200mgペン」の概要】
製品名 |
アナエブリⓇ皮下注200mgペン |
効能又は効果 |
遺伝性血管性浮腫の急性発作の発症抑制 |
用法及び用量 |
通常、成人及び12歳以上の小児には、ガラダシマブ(遺伝子組換え)として初回に400mgを皮下投与し、以降は200mgを月1回皮下投与する。 |
承認取得日 |
2025年2月20日 |
製造販売 |
CSLベーリング株式会社 |
【CSLベーリング株式会社について】
CSLベーリング株式会社は生物学的製剤を専門とするグローバル企業として重篤な疾患や希少疾患の治療や予防に使われる革新的な製剤を世界中の患者さんにお届けすることを使命としています。免疫・希少疾患領域、血友病領域及び救命救急・止血領域を主要領域としています。
詳細はhttps://www.cslbehring.co.jpをご覧ください。
【CSLについて】
CSL Limited(ASX:CSL、USOTC:CSLLY)は、血友病、免疫不全症候群の治療薬、インフルエンザ予防ワクチン、鉄欠乏症や腎臓病の治療薬など、生命を救う医薬品の豊富なポートフォリオを有するグローバル・バイオテクノロジー企業です。1916年の創業以来、最新のテクノロジーを活用して生命を救う、という約束を原動力に活動してきました。現在、3つの事業であるCSL Behring、CSL Seqirus、CSL Viforを含め、全体で社員32,000人を擁し、世界100ヵ国以上の患者さんの救命に寄与する製品をお届けしています。ビジネスにおける強み、研究開発への集中、卓越したオペレーショナル・エクセレンスを組み合わせた当社のユニークさが革新的製品の開発、そして提供へと繋がり、患者さんの充実した人生を支えています。
バイオテクノロジーの将来性に関する記事についてはCSLBehring.com/Vitaをご覧ください。また、X.com/CSLBehringでフォローをお願いいたします。
詳細はhttps://www.csl.com/をご覧ください。
Reference:
- 大澤勲編:難病遺伝性血管性浮腫 HAE 医薬ジャーナル社
- Ghazi A et al., Biologics. 2013;7:103-13. doi: 10.2147/BTT.S27566
- Longhurst HJ, Bork K. Hereditary angioedema: causes, manifestations, and treatment. Br J Hosp Med. 2006;67(12):654-657.
- The LANVET, Volume 401, Issue 10382p1079-1090April 01, 2023
- Allergy 2025 Feb;80(2):545-556. doi: 10.1111/all.16351. Epub 2024 Oct 7.
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