財務ハイライト 4
- 総収益80億5,000万ドル、恒常為替レートベース3で11%増
- 税引後純利益(NPAT )19億ドル1、17%増
- NPAT 19億4,000万ドル1、恒常為替レートベース3で20%増
- NPATA 20億2,000万ドル1,2、11%増
- NPATA 20億6,000万ドル1,2、恒常為替レートベース3で13%増
- 1株当たりNPATA1,2は18ドル2、11%増
- 1株当たりNPATA1,2は恒常為替レートベース3で26ドル、13%増
- 中間配当5 は、1株当たり1.19ドル
- オーストラリアドル換算の中間配当は、1株当たり約1.81オーストラリアドル(12%増)
- 従来のガイダンスを据え置く - 2024年度のNPATA2,4は、恒常為替レートベース換算3で29億ドル~30億ドル2の範囲内となる見込み
CSL Limited(オーストラリア証券取引所:CSL、米国店頭市場:CSLLY)は本日、2023年12月31日を期末とする6か月間の税引後純利益が、恒常為替(CC)レート換算3で、20%増の19億ドル1であったと発表しました。実質的利益(NPATA)は20億2,000万ドル1,2、恒常為替レートベースで13%増の20億6,000万ドル1,2,3でした。
CSLの最高経営責任者兼マネージングディレクターであるポール・マッケンジーは、次のように述べました。「2024年度上半期の好調な業績は、CSL Behringのポートフォリオ全体、特に免疫グロブリンの卓越した業績に牽引されたものです。私たちが実施した血漿事業への取り組みは、売上総利益率の回復を推し進めています」
「CSL Seqirusは厳しい市場環境において堅調な成長を遂げました。その差別化された製品ポートフォリオは市場で他社を上回るものでした」
「CSL Viforについては、変化しつつある鉄欠乏症性貧血治療市場に対して十分な準備が整っています」
業績
CSL Behring(CSLベーリング)
総収益は52億3,800万ドルで、前年同期比14%増3でした。
免疫グロブリン(Ig)製剤の売上高は27億5,700万ドルで、世界的な血漿供給と患者の需要に牽引されて、全地域で力強い伸びを記録し、23%増3となりました。
ピリヴィジェン®/INTRAGRAM®(液状静注用人免疫グロブリン製剤)の売上高は、前年度からの勢いが続き、製品の供給と患者の診断率が改善したため、27%3増加しました。
ハイゼントラ®(皮下注用人免疫グロブリン製剤)の売上高は、患者の診断率上昇により、18%3増加しました。ハイゼントラ®は、皮下注射用免疫グロブリンに関して市場リーダーであり続けています。
主要な適応症である原発性免疫不全症、二次性免疫不全症、慢性炎症性脱髄性多発根神経炎(CIDP)の患者ニーズが高いことから、免疫グロブリンに対する需要が高い状態が続いています。
アルブミンの売上高は6億1,300万ドルで、8%増3でした。
売上高は新興国市場で好調で、米国と欧州でも堅調な伸びを示しました。中国での成長は、競争圧力によって抑えられ、小幅なものとなりました。
血友病製品の売上高は6億6,200万ドルで8%増3でした。
CSL Behringの長時間作用型遺伝子組換え血液凝固第Ⅸ因子アルブミン融合タンパク質製剤であるイデルビオン®は、7%3の成長を達成し、すべての主要市場においてマーケットリーダーであり続けています。
血友病Bに対する最初で唯一の遺伝子治療薬HEMGENIX®が米国で2023年度に発売され、患者への紹介が加速しています。
血友病A市場は引き続き競争が激しく、新規の遺伝子組換え単鎖血液凝固第VIII因子製剤であるエイフスチラ®の売上高はわずかに減少しました。
一方、血漿由来血友病製剤は、フォン・ヴィレブランド病の治療薬であるHUMATE®/HAEMATE®が牽引して8%の成長を実現しました。
スペシャリティ製品の売上高は、ケイセントラ®とHAEGARDA®の需要に牽引され、6%3増の9億7,600万ドルとなりました。
ケイセントラ®(静注用人プロトロンビン複合体製剤)の売上高は、米国でのワルファリン リバース製剤市場への浸透がさらに継続しているため12%3の伸びを記録しました。
遺伝性血管性浮腫(HAE)の治療薬であるHAEGARDA®は、オンデマンド治療から予防治療への継続的な移行と、英国および欧州での好調な業績により9%増加しました。
HAE治療薬のGaradacimab(Anti-FXIIa)は、米国とEUで規制当局に承認申請を行いました。
血漿採取
血漿採取は好調に維持しています。ドナーの報酬と人件費を含む採取の費用は引き続き減少傾向にあります。
RIKA血漿交換装置の新たな展開計画が策定されました。今後1年半の間に、アメリカ全土への展開が予定されています。さらに、規制当局の承認を得るため、ノモグラムを利用した個別化した臨床試験の結果がサプライヤーにより提出されました。
CSL Seqirus(CSLセキーラス)
アジュバントインフルエンザワクチンのFLUAD®が14%3増加したことにより、総収益は2%3増の18億400万ドルでした。
この成長は、予防接種率が低下したにもかかわらず達成されたものであり、CSL Seqirusの差別化された高価値製品ポートフォリオの強さを浮き彫りにしています。
当期間中:
- COVID用自己増幅型mRNAワクチンが日本の厚生労働省の承認を取得しました。
- アジュバント技術と細胞ベースの製造を組み合わせた次世代インフルエンザワクチンaQIVcは、2024年1月に第III相臨床試験の最後の患者を登録しました。
CSL Vifor(CSLビフォー)
総収益は10億1,100万ドルでした。前年同期には、2022年8月のVifor Pharmaの買収後5ヵ月分のみの収入が含まれています。
当期間中:
- 変化しつつある鉄欠乏症性貧血治療市場に向けた準備
- 長時間作用型赤血球生成促進剤MIRCERA®の好調な業績
- 欧州複数国でのTAVNEOS®の上市の成功
事業の戦略的可能性は依然として高いものの、CSL Viforに対する短期的な成長予測を下方修正しました。
経費実績
研究開発費(R&D)は6億6,900万ドル8で、前年同期比11%増3でした。費用の増加は、研究開発ポートフォリオの進化と研究開発インフラへの投資に伴うコストの増加を反映しています。
販売・マーケティング費用(S&M)は7億700万ドル8で、前年比2%3増でした。前年同期に比べてCSL Viforのコストおよび人件費の増加がS&M費の増加の要因であり、その他のS&M費は前年同期と同水準を維持しました。
一般管理費(G&A)は3億2,300万ドル8で、為替差益と、グループの管理部門の一元化から生み出された効率性により、7%減3となりました。
有形/無形固定資産の減価償却費(D&A)(買収した知的財産を除く)は2億9,700万ドルで、1%3増加しました。
純金融費用は2億3,400万ドル9で、32%増3でした。純金融費用の増加は、Vifor Pharmaの買収に伴う借入金と金利の上昇によるものです。
財務状況
営業キャッシュフローは9%増の10億6,900万ドルでした。増益は、収益性の向上と全体的な売上高の伸びによるものでした。これは、法人税および利子の支払額の増加により一部相殺されました。
投資によるキャッシュアウトフローは7億200万ドルで、前期にはVifor Pharmaの買収に対する支払いが行われたため、前年同期比では大幅に減少しました。
CSLのバランスシートは、純資産が191億6,200万ドルとなり、引き続き良好な状態にあります。
流動資産は10%増の101億4,600万ドルでした。主な要因は、売上高の増加およびCSL Seqirusの季節性による売上債権の増加でした。
非流動資産は前年度比1%増の271億5,800万ドルでした。
流動負債は2%増の47億1,800万ドルでした。有利子負債および借入金(銀行借入)の増加は、仕入債務およびその他の支払債務、当期税金負債の減少により相殺されました。
固定負債は3%減の134億2,400万ドルでした。これは、一部の銀行借入金を流動負債に再分類したことと、私募優先債券を含む当グループの負債ポートフォリオで返済が行われたことによるものです。
見通し(2023年度為替レートに基づく)
CSLの見通しについて、ポール・マッケンジーは次のように述べました。「2024年度については、前回のガイダンスを再確認できることを喜ばしく思います。CSLの実質的な利益であるNPATAは、恒常為替レートベースで約29億ドル~30億ドル3の範囲になると予想されます。これは2023年度比で約13~17% の伸びとなります」
「CSLは、中期的に年率2桁の利益成長を実現できる良好な状態にあります」
「当社の免疫グロブリンフランチャイズの力強い成長は、患者の需要が堅調に推移していることから、今後も続くと予想されます」
「血漿採取では、効率と処理時間を改善し、CSL Behringの売上総利益率の継続的な拡大を支えるさまざまな取り組みが進行中です」
「当社の血友病B患者に対する革新的な遺伝子治療製剤であるHEMGENIX®は、患者や医療従事者から大きな関心を集めており、患者への紹介も加速しています。今年度下半期には、さらに多くの患者への投与が見込まれています」
「CSL Seqirusは、厳しい市場環境でも業績は堅調でした。ただし、この事業には季節性があるため、下期は損失を計上すると予想しています」
「CSL Viforに関しては、進化する鉄欠乏症性貧血治療市場の中で事業を展開しています。短期的な成長には課題がありますが、EUでの鉄欠乏症性貧血治療の競争やさらなる地理的拡大に対して十分な体制を整えています。私たちの焦点は、CSLグループ全体の能力を活用することによって価値を引き出すことに変わりはありません」とポール・マッケンジーは締めくくりました。
2024年度における当社の財務予測を作成するにあたり、ガイダンスに大きな影響を及ぼしうるいくつかの主要な変数を特定し、これらについては脚注に記載しました 7。
追加情報
CSLの決算内容に関する詳細は、当社の4Dステートメント、投資家向けプレゼンテーションスライド、ウェブキャストをご覧ください。これらすべては当社のウェブサイト(www.csl.com)に掲載されています。医療用語の用語集も同サイトでご覧いただけます。
グループの業績
12月を期末とする半期 |
2022年12月 |
2023年12月 |
2023年12月 |
変動 |
100万米ドル |
報告値 |
報告値 |
恒常為替レートベース3 |
% |
売上高 |
6,943 |
7,804 |
7,707 |
11% |
その他の収入/所得 |
241 |
249 |
247 |
2% |
総収益/所得 |
7,184 |
8,053 |
7,954 |
11% |
支払利息・税金・減価償却・償却控除前利益(EBITDA) |
2,515 |
3,042 |
3,047 |
21% |
有形/無形固定資産の減価償却費 |
(293) |
(297) |
(296) |
1% |
買収に伴うその他の調整 |
184 |
50 |
49 |
|
支払利息・税引前利益(EBIT)8 |
2,406 |
2,795 |
2,800 |
16% |
純金利費用 |
(171) |
(234) |
(226) |
32% |
税金費用8 |
(358) |
(491) |
(465) |
30% |
NPATA2 |
1,877 |
2,070 |
2,109 |
20% |
買収した知的財産の償却 |
(88) |
(132) |
(129) |
|
買収に伴うその他の調整 |
(184) |
(50) |
(49) |
|
上記調整額に対する法人所得税 |
35 |
32 |
31 |
|
税引後純利益(NPAT) |
1,640 |
1,920 |
1,962 |
20% |
以下に帰属するNPATA: |
||||
- CSL Limitedの株主 |
1,818 |
2,017 |
2,056 |
13% |
- 非支配株主持分 |
59 |
53 |
53 |
|
以下に帰属するNPAT: |
||||
- CSL Limitedの株主 |
1,623 |
1,901 |
1,942 |
20% |
- 非支配株主持分 |
17 |
19 |
20 |
|
1株当たりNPATA2 ,1 |
3.77 |
4.18 |
|
11% 9 |
中間配当(米ドル) |
1.07 |
1.19 |
|
11%9 |
1 CSL株主に帰属します。
2 取得した知的財産、企業買収および統合費用、在庫の公正価値上昇の解消を減損および償却として計上する前の税引後法定純利益(NPAT)。
3 恒常為替レート(CC)は為替レート変動の影響を除いて、業績の比較を容易にします。詳細については、CSLの2023年12月を期末とするCSL中間財務諸表(Directors Report)を参照してください。
4 すべての数字は、別途記載がない限り、米ドルで表記されています。
5 オーストラリアに登録住所がある株主には、1株当たりの中間配当1.19米ドル(約1.81オーストラリアドル)が、2024年4月3日に支払われます。ニュージーランドに登録住所がある株主には、1株当たりの中間配当1.19米ドル(約1.94ニュージーランドドル)が、2024年4月3日に支払われます。為替レートは、2024年3月12日の基準日で固定されます。その他すべての株主には、米ドル建てで支払われます。CSLは、株主に対し、米国の銀行口座への直接振り込みにより米ドル建てで配当支払いを受けられる機会も提供しています。
6 成長率(%)は2023年度の単発の不動産売却益(NPATA 4,400万ドル)を除きます。
7 実際の主要業績がガイダンスと大きく変化しうる主な要因としては、以下が挙げられます。研究開発活動における成功度および実施時期、当社製品への承認に関する規制当局の決定ならびにラベル表示に関する判断、当社製品に影響を及ぼす他社の製品開発、新規、既存製品を対象とするマーケティング活動を成功させる能力、製造における問題点あるいは遅延、血漿採取能力、貿易における購買パターンならびに金利、為替レートの変動、製品の製造、流通、価格、払戻、アクセス、または税に影響を及ぼす法制または規制、買収および売却、コラボレーションによる研究活動、訴訟または政府機関による調査、および、所有する特許および他の知的財産権を保護する当社の能力。
8 基礎的な業績は、取得した知的財産の減損と償却(1億3,200万米ドル)、企業買収と統合費用、在庫の公正価値上昇の解消を除外して調整しています。
9 報告通貨ベース
詳細については、以下にお問い合わせください。
投資家: |
|
メディア: |
Bernard Ronchi |
Stephen McKeon |
Jimmy Baker |
# # #
お問い合わせ先
CSLベーリング株式会社 コーポレート コミュニケーション
電話:03-4213-0183