本資料は、CSL社が 2024年 8 月 13日(現地時間)にオーストラリアで発表したプレスリリースを日本語に翻訳したものです。本資料の正式言語は英語であり、その内容および 解釈については英語が優先します。本資料(英文)については、原文掲載:https://www.csl.comをご覧ください。
財務ハイライト[iv]
- 総収益148億ドル、恒常為替レート(CC)ベース3で11%増
- 税引後純利益(NPAT)26億4,000万ドル1、20%増
- NPAT 27億5,000万ドル1、恒常為替レート(CC)ベース3で25%増
- 純利益(NPATA)29億1,000万ドル1,2、11%増
- NPATA 30億1,000万ドル1,2、恒常為替レート(CC)ベース3で15%増
- 1株当たりNPATA1,2は6.02ドル2、11%増
- 1株当たり1.45米ドルの最終配当[v]
- 通期配当は12%増の2.64米ドル
- オーストラリア通貨に換算すると、通期の配当額は10%増の1株当たり約4.00豪ドル
- 2025年度のNPATA2,4は、恒常為替レート(CC)ベース3でおよそ10~13%増の約32億ドル~33億ドル2の範囲となる見通し
CSL Limited(オーストラリア証券取引所:CSL、米国店頭市場:CSLLY)は本日、2024年6月30日に終了した12か月間の税引後純利益が、恒常為替レートベースで25%増の26億4,000万ドル1となったことを発表しました3。純利益(NPATA)は29億1,000万ドル1,2、恒常為替レートベースで15%増の30億1,000万ドル1,2,3でした。
CSLのCEO兼マネージング・ディレクターであるポール・マッケンジー は、次のように述べています。「CSL ベーリングが牽引する2024会計年度の好調な業績を報告できることを喜ばしく思います」 「当社最大のフランチャイズである免疫グロブリンのポートフォリオは、患者さんの大きな需要に牽引され、卓越した成長を遂げました。CSL ベーリングの売上総利益は、計画通り回復を見せています」
「CSL セキーラスは厳しい市場環境で好業績をあげました。アジュバントインフルエンザワクチンのFLUAD®が牽引しました」
「CSL ビフォーは、ジェネリック医薬品の参入があった中でも、欧州で鉄欠乏症性貧血治療分野の販売量を伸ばし続けています。当社は、この事業が長期的な価値を押し上げるという計画に関して確信を持っています」
「全体として、本決算は、昨年10月に開催した当社のキャピタルマーケットデーで発表した戦略目標を達成しつつあることを示しています」 「当社は、戦略を実行することにしっかりと重点を置いた成果が表れ、中期的に2桁増益を達成するという目標に自信を持っています」
業績
CSL ベーリング
総収益は106億800万ドルで、前年同期比14%増3でした。
免疫グロブリン(Ig)製剤の売上高は56億6,600万ドルでした。全地域で力強い伸びを記録し、20%増3となりました。
ピリヴィジェン®/INTRAGRAM®(静注用人免疫グロブリン製剤、10%液状)の売上高は、21%増3となりました。供給の改善と患者さんの堅調な需要が牽引しました。
ハイゼントラ®(皮下注用人免疫グロブリン製剤、20%液状)の売上高は、患者さんの診断率の上昇や、50mLプレフィルドシリンジの発売により、19%増3となりました。ハイゼントラ®は、皮下注射用免疫グロブリンの確固たるマーケットリーダーであり続けています。
主要な適応症である原発性免疫不全症、二次性免疫不全症、慢性炎症性脱髄性多発神経炎(CIDP)の患者さんのニーズが高いことから、免疫グロブリンに対する堅調な需要が続いています。
アルブミンの売上高は12億900万ドルで、12%増3でした。
売上高は新興国市場で好調で、中国と米国、欧州でも堅調な伸びを示しました。
血友病製品の売上高は13億1,300万ドルで、10%増3でした。
CSL ベーリング長時間作用型遺伝子組み換え第IX因子製剤であるイデルビオン®は、10%3の伸びを達成しました。すべての主要市場におけるマーケットリーダーであり、標準治療であり続けています。
HEMGENIX®は、血友病Bに対する初の遺伝子治療薬で、2023年度に発売されました。最近、EU、英国、スイス、カナダで償還の承認を得ており、米国と欧州で患者さんへの投与が進み、弾みがついています。
スペシャリティ製品の売上高は、6%3増の19億4,000万ドルとなりました。主にHAEGARDA® (日本での製品名:ベリナート)とKCENTRA®が牽引しました。
遺伝性血管性浮腫(HAE)の患者さんの治療薬であるHAEGARDA®は、12%増加しました。患者さんの堅調な需要が続き、欧州と日本で業績が好調でした。
KCENTRA®(4因子プロトロンビン複合体濃縮製剤)の売上高は、5%3の伸びを記録しました。競合製品の発売が数量に影響しましたが、米国でワルファリンリバース製剤市場へのさらなる浸透が続いています。
プラズマ
血漿採取は勢いを維持しています。ドナー補償と人件費を含む、1リットルあたりのコストがさらに減少しています。
血漿センターの効率化にさらなる重点を置いたデジタルトランスフォーメーションが大きく前進しています。
RIKAプラズマフェレーシス装置の展開が進められており、2025会計年度末までに完了する予定です。
さらに、個別化ノモグラムがFDA(米国食品医薬品局)の承認を得ており、2025年度中に展開される見通しです。
血漿の製造プロセスにおける産出イニシアチブは計画通り進んでいます。
CSL セキーラス
総収益は4%3増の21億2,800万ドルでした。14%3増加したアジュバントインフルエンザワクチンのFLUAD®が牽引しました。
予防接種率が低下する中で、このような成長を達成しました。CSLセキーラスの差別化された製品ポートフォリオの強みを際立たせています。
当期間中:
- COVID用自己増幅型mRNAワクチン(KOSTAIVE®)が日本の厚生労働省の承認を取得しました。
- アジュバント技術と細胞ベースの製造を組み合わせた次世代インフルエンザワクチンaTIVcは、2024年1月に第III相臨床試験の最後の患者さんを登録しました。
CSL ビフォー
総収益は20億6,400万ドルでした。前年同期には、2022年8月のVifor Pharma買収に伴う11か月分の収益が含まれていました。
当期間中:
- 欧州における鉄欠乏症性貧血治療分野の販売量は、欧州市場の一部で後続品が導入されたにもかかわらず、引き続き増加しました。
- FERINJECT®が中国で発売されました。
- 持続型赤血球造血刺激因子製剤のMIRCERA®は、米国での患者コンバージョンが進み、好調に推移しました。
- TAVNEOS®が欧州の複数の国で上市されました。
実現したシナジー効果は、買収時の予想を大幅に上回りました。
経費実績
研究開発(R&D)費は前年同期比12%3増の14億2,800万ドル7,8でした。売上高ガイダンスの10~11%の下限値となりました。
販売・マーケティング費用(S&M)は前年同期比5%3増の15億5,600万ドル7,8でした。増加の要因は主に、人件費の上昇と今後の上市をサポートする追加費用です。
一般管理費(G&A)は6%減3の8億2,500万ドル8でした。グループの管理部門を一元化して効率化したことと、為替の影響が抑えられたことが寄与しました。
有形/無形固定資産の減価償却費(D&A)(買収した知的財産を除く)は6億3,700万ドルで、7%3増加しました。
純金融費用は4億3,700万ドル9で、7%増3でした。純金融費用が増加した要因は、CSL Viforの買収に資金を充てるための12か月の負債増、および変動利付債の金利の上昇です。
財務状況
営業キャッシュフローは6%増の27億6,400万ドルでした。収益性の向上と全体的な売上高の伸びがキャッシュフローの増加に反映されていますが、CSL ベーリングの好調な年度の締めくくりを受け、運転資本が増加したことによって一部相殺されています。
有形固定資産の資本的支出は8億4,900万ドルでした。以前の期間に主要な投資プロジェクトが完了したことを反映して31%減となりました。
CSLのバランスシートは良好な状態を維持しています。純資産は194億100万ドル、EBITDA純有利子負債倍率は2.2倍となっています。
流動資産は16%増の107億6,800万ドルでした。主な要因は、売上高の増加による売掛債権の増加、および血漿採取費用の増加と血漿生産量の増加による棚卸資産の増加です。
非流動資産は272億5,400万ドルで、ほぼ前年並みでした。
流動負債は7%増の49億5,000万ドルでした。買掛金およびその他の債務と引当金の増加は、有利子負債および借入金(銀行借入)、当期税金負債の減少により相殺されました。
非流動負債は136億7,100万ドルで安定していました。引当金の減少は、有利子負債および借入金、繰延税金負債の増加により相殺されました。
この年、CSL ビフォーは、Vifor Pharmaが抱えていたいくつかの係争を解決しました。 和解金が用意され、2023年6月30日時点で、Vifor Pharma買収の購入価格の一部として計上されました。経営陣は、和解金の支払いが2025年6月30日に終了する年度末までに行われると見込んでいます。
CSL取締役会
- 新任のNon-Executive Director:
- Elaine Sorgが2024年9月1日付で就任します。AbbVieやEli Lillyなどの大手製薬会社でシニアエグゼクティブを歴任し、35年の実績を有しています。
People(従業員)
- Roanne Parryが2024年1月にChief Human Resources Officerに指名されました
- David Rossが2024年4月にCSL セキーラスのSenior Vice President兼General Managerに指名されました
- Stephen Marlowが2024年4月にCSL プラズマのSenior Vice President兼General Managerに指名されました
見通し(2024年度為替レートに基づく)
ポール・マッケンジーは、CSLの見通しについてコメントし、次のように述べています。「CSL ベーリングの事業は、免疫グロブリン・フランチャイズにおける患者さんの堅調な需要が下支えし、今後も勢いが続くと予想されます」
「血漿採取と当社の製造業務では、引き続き効率化を推進し、CSL ベーリングの売上総利益率の改善につながる数多くの取り組みが進められています」
「当社は、血友病Bの患者さん向けの革新的な遺伝子治療薬であるHEMGENIX®の成長の可能性に期待しています。また、規制当局の承認を得ることを前提として、遺伝性血管性浮腫の治療用のモノクローナル抗体であるGaradacimabを2025年度に上市できると期待を寄せています」
「CSL セキーラスの市場環境は依然として厳しいものの、差別化された製品ポートフォリオのメリットを生かし、CSL セキーラス事業は市場で高い業績をあげると見込まれています」
「CSL ビフォーに関しては、鉄欠乏症性貧血治療市場が絶えず進化していますが、当社は競争の激化に対応する体制が整っています」 「当社は、この事業の長期的な戦略的メリットに確信を持っています」
「2025年度の総収益の伸びは、恒常為替レートベースで、2024年度を約5~7%上回る見通しです3」 「CSLの2025年度のNPATA1,2は、恒常為替レートベースで、約32億ドル~33億ドルの範囲になると予想されます。2024年度比で約10~13%の伸びとなります」
「中期的に、CSLは、年率2桁の増益を達成し続ける良好な状態にあります」とポール・マッケンジーは述べました。
2025年度の当社の財務予測を作成するにあたり、ガイダンスに大きな影響を及ぼす可能性のあるいくつかの主要な要因を明確にし、脚注に記載しました[i]。
追加情報
CSLの決算内容に関する詳細は、当社の4Eステートメント、投資家向けプレゼンテーションスライド、ウェブキャストをご覧ください。すべて当社のウェブサイト(www.csl.com)に掲載されています。医療用語集もウェブサイトでご覧いただけます。グループの業績
6月期通期決算 100万米ドル |
2023年 |
2024年 |
2024年 |
変化 % |
売上高 |
12,776 |
14,259 |
14,206 |
11% |
その他の収益/収入 |
534 |
541 |
538 |
1% |
総収益/収入 |
13,310 |
14,800 |
14,744 |
11% |
利払前・税引前・減価償却前利益(EBITDA) |
3,900 |
4,750 |
4,837 |
24% |
減価償却費/無形固定資産の償却費(取得した知的財産を除く) |
(596) |
(637) |
(636) |
7% |
その他の買収関連調整額 利払前・税引前利益(EBIT)[i] |
353 3,657 |
84 4,197 |
83 4,284 |
76% 17% |
純金利費用 |
(406) |
(437) |
(436) |
7% |
税金費用7 |
(504) |
(722) |
(708) |
40% |
NPATA2 |
2,747 |
3,038 |
3,139 |
14% |
買収した知的財産の償却 |
(235) |
(301) |
(298) |
|
その他の買収関連調整額 |
(353) |
(84) |
(83) |
|
上記調整額に対する法人所得税 |
85 |
61 |
60 |
|
税引後純利益(NPAT) |
2,244 |
2,714 |
2,818 |
26% |
以下に帰属するNPATA: |
|
|
|
|
|
2,610 |
2,907 |
3,008 |
15% |
|
137 |
131 |
132 |
|
以下に帰属するNPAT: |
|
|
|
|
|
2,194 |
2,642 |
2,745 |
25% |
|
50 |
72 |
73 |
|
1株当たりNPATA2,1 1株当たりNPAT利益(法定EPS) 配当金総額(米ドル)
|
5.41 4.55 2.36 |
6.02 5.47 2.64 |
|
11%[ii] 20%8 12%8 |
[i] 実際の業績が大きく異なる内容となりうる要因として、以下が挙げられます:CSLの研究開発活動の成否、新製品および既存製品のマーケティングと販売を成功させるCSLの能力に影響を及ぼす要因(CSL製品の承認およびラベルクレームに関する規制当局の決定、CSL製品に影響を及ぼす競合他社の開発、取引購入パターンなど)、CSLの血漿採取能力に影響を及ぼす要因、製造の問題または遅延、CSL製品の製造、流通、価格設定、償還、CSL製品への市場アクセス、環境保護の問題、または税務に影響を及ぼす法規制、訴訟または政府の調査、金利および為替レートの変動、買収または売却、CSLの特許およびその他の知的財産を保護する能力。
[i] CSL株主に帰属します。
[ii] 取得した知的財産、企業買収および統合費用、在庫の公正価値上昇の解消を、減損および償却として計上する前の税引後法定純利益(NPAT)。
[iii] 恒常為替レート(CC)は為替レート変動の影響を除いて、業績の比較を容易にします。詳細については、CSLの2024年6月期通期決算の財務諸表(Directors’Report)をご覧ください。
[iv] すべての数字は、別途記載がない限り、米ドルで表記されています。
[v] オーストラリアに登録住所がある株主には、1株当たりの最終配当1.45米ドル(約2.20豪ドル)が、2024年10月2日に支払われます。ニュージーランドに登録住所がある株主には、1株当たりの最終配当1.45米ドル(約2.41ニュージーランドドル)が、2024年10月2日に支払われます。為替レートは、2024年9月10日の基準日で固定されます。その他すべての株主には、米ドル建てで支払われます。CSLは、株主に対し、米国の銀行口座への直接振り込みにより米ドル建てで配当支払いを受けられる機会も提供しています。
お問い合わせ先:
CSLベーリング株式会社 コーポレート コミュニケーション
電話:03-4213-0183