- 6ヵ月の投与期間中、患者の大半が無発作(61.5%)
- 2023年米国アレルギー・喘息・免疫学会(AAAAI)で初めて試験結果を発表:本年下半期に各国規制当局に承認申請予定
- Garadacimabにより、CSLが40年の実績を持つHAE領域において、患者のために革新的な医薬品を開発するという約束を果たす
米国ペンシルベニア州、キング・オブ・プルシア2023年2月26日 -- グローバルバイオテクノロジーのリーダーであるCSL社(ASX:CSL、USOTC:CSLLY)は本日、Garadacimab(CSL312)の多施設国際共同、二重盲検、ランダム化、プラセボ対照、並行群間比較第3相試験であるVANGUARD 試験の結果を発表しました。
Garadacimabは、CSL社が遺伝性血管性浮腫(HAE)患者の長期発作抑制治療薬として開発しているファースト・イン・クラスのモノクローナル抗体です。HAEの急性発作の発症抑制を目的に、活性化第XII因子(FXIIa)を標的として初めて検討した試験の結果から、Garadacimabの月1回皮下投与は、プラセボと比較して、1カ月あたりの発作率を有意に抑制することが示されました。データは、2月24~27日にテキサス州、サンアントニオで開催された2023年米国アレルギー・喘息・免疫学会(AAAAI)年次会議において発表されました。
ペンシルベニア州立大学の医学・小児科学・生物医科学教授兼本治験の責任医師であるTimothy Craig博士は「HAE発作に至るカスケードの下流ではなく、カスケードの起点であるFXIIaを標的としてHAE発作を抑制するという、革新的な治療アプローチです」 「発表した第3相試験データは、HAE発作抑制治療薬としてGaradacimabが使用される可能性を裏付けています」と述べています。
第3相試験 VANGUARD 試験から得られた重要なデータ
多施設国際共同、二重盲検、ランダム化、プラセボ対照、並行群間比較試験において、プラセボ(n = 24)と比較してGaradacimabを月1回投与した患者(n = 39)では、1ヵ月あたりの発作率が統計学的に低く(p < 0.001)、平均発作率が平均値で86.5%、中央値で100%減少しました。ベースラインの発作率で調整した後のプラセボと比較した発作率の平均減少率は89.2%でした。
6ヵ月の投与期間中、Garadacimabを投与した患者の大半(61.5%)が無発作であったのに対し、プラセボ群では無発作の患者はいませんでした。Garadacimabを投与した患者の74.4%が観察期と比較して90%以上の発作減少を達成しました。
この試験では、Garadacimabの良好な安全性プロファイル及び忍容性が示されました。投与中止に至った有害事象はありませんでした。注射部位反応は5件で、いずれも軽度であり、Garadacimabの投与を受けた2名(5.1%)及びプラセボの投与を受けた3名(12%)で報告されました。
CSL社R&D Immunology部門の バイス・プレジデントであるCatherine Milchは、「AAAAIで共有されたデータは、利便性の高い月1回のGaradacimabの皮下投与による有効性及び良好な安全性プロファイルを示しています。臨床試験の結果は、GaradacimabがHAE患者さんに有意なベネフィットをもたらすファースト・イン・クラスの治療候補であることを裏付けています」「Garadacimabは、希少疾患を抱える患者さんにイノベーションと新たな治療選択肢をもたらすという当社の約束を実現する次のステップです」と述べています。
2022年8月に発表された第3相試験の肯定的な トップライン結果 と一致する治験データに基づき、CSL社は本年下半期に、各国の規制当局にGaradacimabの承認申請を行う予定です。
ピボタル第3相試験 VANGUARD試験について
多施設国際共同、二重盲検、ランダム化、プラセボ対照、並行群間比較で実施したVANGUARD試験では、遺伝性血管性浮腫患者の発作抑制治療薬として、ファースト・イン・クラスのモノクローナル抗体であるGaradacimabの有効性及び安全性を評価しました。12歳以上のHAE I型又はII型患者を対象に、スクリーニング期及び観察期を設定し、ベースラインの発作率を確認しました。患者を3:2の割合で無作為に割り付け、初回用量400 mgを投与後、200 mgのGaradacimab(n = 39)又は同用量のプラセボ(n = 25)を月1回皮下投与しました。6ヵ月の投与期間後、患者には現在進行中の非盲検継続投与試験に移行する機会が与えられました。
進行中の第3相VANGUARD試験の非盲検継続投与試験では、HAE患者を対象にGaradacimab(200 mg/月)の長期の安全性及び有効性を評価しています。
遺伝性血管性浮腫(HAE)及びGaradacimabについて
HAEは、腹部、上気道、顔面、四肢等、身体中のさまざまな箇所に疼痛を伴う予測不能な腫れを繰り返し起こす遺伝性の希少疾患であり、生命を脅かす可能性があります<。
Garadacimabは、新規の抗活性化第XII因子モノクローナル抗体(FXIIa mAb)です。ブラジキニン介在性の血管性浮腫であるHAE発作に対する月1回皮下投与の新規発作抑制治療薬として開発中であり、現在第3相臨床試験を実施中です。Garadacimabは血漿タンパク質であるFXIIaを特異的に阻害します。FXIIの活性化(FXIIa)により、浮腫形成に至るカスケードの連鎖が誘導されます。カスケードの下流メディエーターを標的とする他のHAE発作抑制治療薬と比較して、FXIIaを標的とするGaradacimabはHAEカスケードの起点を阻害します。
Garadacimabは、CSL社のBio21の研究施設で科学者によって発見及び最適化され、CSL Broadmeadows Biotech Manufacturing Facilityにより臨床プログラムのために製剤化されました。
Garadacimabは米国食品医薬品局(FDA)及び欧州医薬品庁(EMA)の両機関から、遺伝性血管性浮腫の治療薬として、希少疾病用医薬品の指定を受けています。
CSL社では、特発性肺線維症など、FXIIaの阻害が臨床転帰の改善に重要な役割を果たす可能性のある、HAE以外の適応症についてもGaradacimabによる治療を検討しています。
CSLについて
CSL Limited(ASX:CSL、USOTC:CSLLY)は世界をリードするバイオテクノロジー企業です。インフルエンザワクチンに加え、血友病及び原発性免疫不全症候群の治療薬など、命を救う医薬品の多種多様な製品ポートフォリオを提供しています。1916年の創業以来、当社は最新のテクノロジーを活用して命を救う、という約束を原動力に活動してきました。現在、CSLは3つの事業であるCSL Behring、CSL Seqirus、CSL Viforを含め、全体で社員30,000人を擁し、世界100ヵ国以上の患者さんの救命に寄与する製品をお届けしています。ビジネスにおける強み、研究開発への集中、卓越したオペレーショナル・エクセレンスを組み合わせた当社のユニークさが革新的製品の実現、開発、そして提供へと繋がり、患者さんの充実した人生を支えています。バイオテクノロジーの将来性に関する記事についてはCSLBehring.com/Vitaをご覧ください。また、Twitter.com/CSLでフォローをお願いします。
詳細はwww.csl.comをご覧ください。
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CSLベーリング株式会社 コーポレート コミュニケーション
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