CSL が2022年 8 月 17(現地時間)にオーストラリアで発表したプレスリリースを日本語に翻訳・編集したものです。内容および解釈は原文(英語)が優先します。原文掲載:https://www.csl.com
CSLの2022会計年度(FY22)の税引き後純利益は22億5,500万ドル、固定レート(CC2)換算で6%減、ガイダンスの上限に達し、売上高はCC2 換算で3%増 でした。
- 厳しい世界情勢の中、期待に合致したパフォーマンス
- 研究開発投資の大幅な増加
- 市場をリードする血友病B治療製剤IDELVION® および専門領域製剤の主要製品KCENTRA® の堅調な成長
- FY21(前期)の血漿採取量の制約により免疫グロブリン(Ig)製剤の売上は限定的、下半期は採取量の増加により業績改善
- 血漿採取量の大幅な増加が、将来のIgおよびアルブミン製剤の売上増を支える見込み
- インフルエンザワクチン事業会社CSL Seqirusの卓越した業績
- Garadacimab(HAE:遺伝性血管性浮腫) ポジティブなトップラインデータ
- 主要評価項目および副次評価項目を達成
- 二酸化炭素排出量削減目標の設定、サステナビリティ・ロードマップの策定
- 2022年8月9日に Vifor Pharma の事業取得を完了
- 一株当たり利益 4.81ドル、CC2で8%減
- 最終配当金3 1株当たり1.18米ドル(約1.68豪ドル、10%のフランキングあり)
- 通期配当は2.22米ドルで安定的に推移
- オーストラリア通貨換算で、通期配当は1株当たり約3.11豪ドル(6%増)
- FY23の税引後利益(CSL Viforを除く)は成長に転じ、CC2換算で、約24億~25億ドルの範囲になると予想
CSLの最高経営責任者兼マネジングダイレクターのポール・ペローは、次のように述べています。 「CSLは、世界的なCOVIDの流行による継続的な課題に対して回復力のある業績を示し、ガイダンスの上限に達する好決算を達成しました。
不確実性を伴う環境下にもかかわらず、慎重にコストを管理し、研究開発への投資を大幅に増加させ、患者さんに革新的な医薬品を提供するという当社のコミットメントを支えています。
FY21(2021会計年度)は、パンデミックにより血漿採取量が影響を受け、主力製品である血漿分画製剤の製造サイクルが長いことから、FY22の売上が制約されました。
コスト増はあったものの、当年度がすすむにつれ、血漿採取量を大幅に増加させました。血漿確保量は24%増加し、血漿分画製剤の主要製品である免疫グロブリン(Ig)製剤とアルブミン製剤の売上が今後力強く伸びることを期待しています。とはいえ、パンデミックによって、血漿採取量の増加予測が2年遅れたことは、患者さんのケアにおいて最適とは言えません。
血漿採取の制限を受けない当社の主力製品2品目は、引き続き好調な業績を維持しています。当社の主要な遺伝子組換え血友病B治療製剤であるIDELVION® は、その力強い臨床プロファイルが患者さんの需要と市場シェアを牽引し、売上が20%2増加しました。周術期出血領域製剤のKCENTRA® は、病院需要がパンデミック前の水準に戻ったことにより、18%2増となりました。
HPVのロイヤリティは55%2増となり、旺盛な需要と供給の増加により、COVID以前の水準を上回るまで力強く回復しました。
当社のインフルエンザワクチン事業であるCSL Seqirusは、差別化された高価値の製品ポートフォリオによる季節性インフルエンザワクチン製品の成長により、売上高が13%2増となり、非常に好調な業績を達成しました。
本日、CSLのサステナビリティ戦略に基づく新たな二酸化炭素排出量削減目標を発表することができ、当社の社員と地球のために、より持続可能な未来を育むというコミットメントを示すことができました。
FY22中にVifor Pharmaの事業取得に関する合意を発表しました。このたび2022年8月9日に事業取得が完了したことをうれしく思います。 CSL Viforにより、腎疾患および鉄欠乏症の領域における高価値で補完的な製品ポートフォリオと市場をリードするポジションがCSLに加わります。
Vifor Pharma が CSL の株主にもたらす価値、そして CSL の成長の持続性を高めることを確信しています。」
主要項目
CSLベーリング
- IDELVION® 20%2増
- KCENTRA® 18%2増
- HAEGARDA® 5%2増
- 免疫グロブリン 製剤 3%2減
- HPVロイヤリティ 55%2増
- 血漿採取量 24%増
- 新たな血漿採取プラットフォームの展開開始
CSL Seqirus
- 季節性インフルエンザワクチン 16%2増
- アメリカでの売上が初めて10億ドルを突破
- FLUAD ® 41%2増
- FY22に過去最高の1億3,500万回投与分の販売量を達成
- 米国疾病対策予防センターは、アメリカで65歳以上の成人に対して優先的に推奨される季節性ワクチンの選択肢として、予防接種実施諮問委員会の勧告を採択
- ホーリースプリングスとリバプールで充填・包装能力増強プロジェクトが完了
イノベーションと研究開発
- Garadacimab(HAE:遺伝性血管性浮腫) ポジティブなトップラインデータ
- 主要評価項目および副次評価項目を達成
- Etranacogene dezaparvovec(血友病B遺伝子治療製剤) HOPE-B試験で主要評価項目を達成し、MAA(欧州:医薬品製造販売承認申請)およびBLA(米国:生物学的製剤承認申請)を提出
- CSL112 (ApoA-1) 第3相試験 (AEGIS-II) 進行中、患者登録率80%以上を達成、中間解析(第3回)完了
- aQIVc 第2相試験終了
- FLUCELVAX® 4価 承認事項
- アメリカおよびアルゼンチンにおいて生後6ヵ月以上の適応
- オーストラリア 2年以上延長
- ニュージーランド 9年以上延長
- FLUAD®
- 50-64歳の成人を対象とした4価ワクチン第3相試験の登録が完了
- CSL、WEHI、メルボルン大学によるバイオベンチャー育成のための政府資金を確保
Vifor Pharma Ltdの事業取得完了 2022年8月9日
- 腎疾患および鉄欠乏症に特化した魅力的なポートフォリオでCSLのリーダーシップを拡大
- CSL Viforの新役員が就任、エルヴェ・ジセロ氏がゼネラルマネジャーとしてCSL Viforを指揮
- 上場廃止手続きを開始し、統合を推進中
- CSL Viforによる財務的貢献に関するCSLの総合的な見解に重要な変更はない
- CSLは事業取得に伴う一連の会計処理を開始、2022年10月17日に開催予定の投資家向け説明会で最新情報を提供する予定
人財と企業文化
- CSLは、Forbes誌の「アメリカで最も働きがいのある会社」のひとつに選ばれ、Australian Financial Review誌の「オーストラリアとニュージーランドの働きがいのある会社(Best Places to Work)」にも認定
効率性
- 血漿採取センターを新たに27カ所開設
- CSL Plasma のドナー向けアプリに新機能を追加し強化
- 新たな装置の導入による血漿採取プラットフォームの展開を開始、FY23中に完了予定
サステナビリティ
- CSLのサステナビリティ戦略に大きな進展
- 二酸化炭素排出量の削減目標を設定
- FY19-21の年間平均排出量を基準に、2030年までにScope1 および 2の絶対排出量を40%削減することを目標とする
- Scope3 排出量の67%を占めるサプライヤーが、科学的根拠に基づく目標設定イニシアティブに沿って、2030年までにScope1および2の削減目標を設定することを意図
見通し(FY22為替レートに基づく)
CSLの業績見通しについて、ポール・ペローは次のように述べています。「パンデミックの渦中において直面した困難にもかかわらず、当社が成長戦略を実行し続け、患者さんへの約束を果たしていることを大変誇りに思っています。
当社は事業のあらゆる側面に投資を続けており、中核事業であるIgフランチャイズにおける勢いが改善されつつあることを大変心強く思っています。
血漿採取量の力強い伸びは、COVIDが収束した後も続き、当社の主力製品である血漿分画製剤の売上高の力強い成長を下支えするものと期待しています。血漿確保における高コストの状況は、FY23も継続する見込みです。
当社のインフルエンザ事業であるCSL Seqirusは、差別化された製品への需要により、今年も堅調に推移するものと見込んでいます。
CSLのFY23の税引後純利益は、固定レート換算で約24億ドルから25億ドルとなり、強固な持続的成長に戻る4ことが予想されます。これには、CSL Viforの事業取得に伴う利益と費用は含まれません。
CSLグループに関するガイダンスは、可能な限り早い時期にCSL Viforを含めて更新される予定です」
当社のFY23の業績予想を作成するにあたり、ガイダンスに重要な影響を与える可能性のあるいくつかの重要な 変動要因を特定し、脚注5 に記載しました。
詳細情報
CSLの決算内容に関する詳細は、当社4Eステートメント、投資家向け発表スライド、およびウェブキャストをご覧ください。いずれもCSLのウェブサイト www.csl.com に掲載されています。医療用語の説明についてもウェブサイトでご覧いただけます。
詳細については下記までご連絡ください。
Investors:
Bernard Ronchi
Director, Investor Relations
CSL Limited
Telephone: +61 3 9389 3470
Email: bernard.ronchi@csl.com.au
Stephen McKeon
Director, Investor Relations
CSL Limited
Telephone: +61 402 231 696
Email: stephen.mckeon@csl.com.au
Media:
Jimmy Baker
Communications
CSL Limited
Mobile +61 450 909 211
Email: jimmy.baker@csl.com.au
® CSLまたはその関連会社の登録商標
グループ業績
6月末通期決算 (単位:百万米ドル) |
6月 2021 報告値 |
6月 2022 報告値 |
6月 2022 CC2 |
変動 % |
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売上高 |
9,980 |
10,136 |
10,242 |
3% |
その他の収入 |
330 |
426 |
426 |
29% |
総収入 |
10,310 |
10,562 |
10,668 |
3% |
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EBITA(金利・税金・償却前利益) |
3,720 |
3,596 |
3,542 |
(5%) |
減価償却費 |
(590) |
(669) |
(670) |
(14%) |
EBIT(金利・税金前利益) |
3,130 |
2,927 |
2,872 |
(8%) |
支払利息 |
(167) |
(148) |
(161) |
4% |
税金費用 |
(588) |
(524) |
(475) |
19% |
税引後純利益 |
2,375 |
2,255 |
2,236 |
(6%) |
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配当金総額 一株当たり利益 |
2.22 5.22 |
2.22 4.81 |
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- (8%) |
1 数値は全て、別途記載のない限り米ドルです。
2 固定レート(CC)換算によって為替レートの変動による影響を除き、業績を比較しやすくしています。詳細は、CSLの2022年6月を期末とするCSLの財務レポート(Director’s Report)をご参照ください。
3 オーストラリアに登録住所のある株主には、1株当たり1.18米ドル(約1.68豪ドル)の最終配当金が2022年10月5日に支払われる予定です。ニュージーランドに住所のある株主には、1 株当たり 1.18 米ドル(約 1.86 ニュージーランドドル)の最終配当金が 2022 年 10 月 5 日に支払われます。為替レートは 2022 年 9 月 7 日の基準日に確定されます。それ以外の株主には、米ドルで支払われます。CSL は、米国の銀行口座への直接入金により、米ドルでの配当金支払いを受ける機会も株主に提供しています。
4 比較期 FY22には、FY23には発生しないCOVIDワクチンに関する貢献を含む。
5 実際の業績に影響を与えうる重要な要素には、以下のようなものが含まれます。研究開発活動の成功とタイミング、当社製品の承認およびラベル表示に関する規制当局の決定、当社製品に影響を与える競合他社の動向、新製品および既存製品の販売を成功させる能力、製造における困難または遅延、血漿採取能力、貿易購買パターンおよび金利・為替レートの変動、製品の生産、流通、価格、償還、アクセスまたは税に影響を与える法律または規制、買収および売却、研究協力、訴訟または政府の調査、ならびにCSLの特許およびその他の知的財産を守る能力などです。
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日本における連絡先:
CSLベーリング株式会社 -CSLグループ会社、CSLベーリングの日本法人
コーポレートコミュニケーション
電話:03-4213-0183 Fax:03-4213-0216