ピリヴィジェンは、末梢神経に障害を生じる希少な自己免疫疾患である慢性炎症性脱髄性多発根神経炎(CIDP)の筋力低下の改善と運動機能低下の進行抑制(筋力低下の改善が認められた場合)を効能・効果として、2019年3月26日、製造販売承認を取得しました。
この度の、無又は低ガンマグロブリン血症の適応追加申請により、先天的な疾患である原発性免疫不全症候群の患者さんや、後天的に免疫力が低下する続発性免疫不全症候群の患者さんに、さらなる治療の選択肢を提供し、より多くの患者さんやご家族の一助となることが期待されます。
CSLベーリングは、世界中でいまだ解決されていない医療ニーズに応えうる製剤の開発に力を注いでいます。今後も日本において、充実した開発パイプラインを推進し、患者さんやそのご家族の生活の質の向上に寄与できる製剤を届けることに専心して参ります。
■ピリヴィジェンについて
静注用として開発された10%製剤であるピリヴィジェン(液状静注用人免疫グロブリン[IVIG] 10%製剤)は、CIDP治療等を適応として日本を含め、60以上の国と地域で承認されています。海外では10年以上の使用実績があり、良好な安全性、有効性が示されています。また、本剤は年間推定10万人以上の患者さんに投与されています。
■無又は低ガンマグロブリン血症について
免疫グロブリンGが量的に不足あるいは質的に問題があると、体を守る防御反応が不十分(不全)になり、感染症を起こしやすくなります。このような状態を「免疫不全」といい、原発性免疫不全症候群と、がん、ウイルス感染(エイズなど)、放射線照射、免疫抑制剤投与などが原因となる、続発性免疫不全症候群とに大きく分けられます。免疫不全になると、重篤な感染症(肺炎、中耳炎、膿瘍、髄膜炎など)を繰り返します。
免疫不全のうち、体内で免疫グロブリンGが全く作られない場合を「無ガンマグロブリン血症」と呼び、少しだけ作られる場合を「低ガンマグロブリン血症」と呼びます。免疫不全の患者さんに対し、身体を守る防御反応を補う意味で、継続的、あるいは一時的に、免疫グロブリン製剤による治療を行うことで重篤な感染症にかかりにくくなります。
【CSLベーリング株式会社(日本法人)について】
CSLベーリング株式会社は、生物学的製剤のグローバル企業であるCSLベーリング(本社:アメリカ)の日本法人です(本社:東京都江東区、代表取締役社長:ジャン・マルク モランジュ)。免疫・希少疾患領域、救命救急・止血領域、及び血友病領域を主要領域としています。
2014年には、国内初の皮下注用人免疫グロブリン製剤を、無又は低ガンマグロブリン血症の適応で発売しました。
2016年には血友病治療領域に参入し、高いトラフ値を保ちながら、2週間に一度の定期補充療法を可能にした血友病B治療薬を上市しました。血友病領域では、さらに、2017年12月に国内初のシングルチェーン製剤である血友病A治療薬を発売致しました。
2017年9月には、ビタミンK拮抗薬服用中の患者さんの出血傾向を是正することを可能にした、日本で初めてとなる静注用人プロトロンビン複合体製剤を発売しました。
2019年3月には皮下注用人免疫グロブリン製剤が、CIDP患者さんの運動機能低下の進行抑制(筋力低下の改善が認められた場合)を効能・効果として、適応追加の承認を取得しました。また同時に、液状静注用人免疫グロブリン製剤が、CIDP患者さんの筋力低下の改善と運動機能低下の進行抑制(筋力低下の改善が認められた場合)を効能・効果として、製造販売承認を取得しました。
CSLベーリングは、日本の医療に、ひいては患者さんやご家族の生活の質の更なる向上に貢献してまいります。
https://www.cslbehring.co.jp
【CSLベーリング (CSL Behring LLC) について】
CSLベーリングは、生物学的製剤のグローバル企業です。患者さんのアンメットニーズに応えるため、最新のテクノロジーに基づき、血液凝固疾患、原発性免疫不全症候群、遺伝性血管性浮腫、遺伝性呼吸器疾患、神経系疾患などの治療に用いられる製剤を開発、提供しています。また、心臓手術、臓器移植、やけど、新生児の溶血性疾患の予防などに使用される製剤も扱っています。CSLベーリングは、世界でも最大規模の血漿採取ネットワーク(CSL Plasma)を運営しています。
CSLベーリングは、オーストラリア、メルボルンに本拠を置くCSL(CSL Limited 、ASX:CSL)グループの一員です。CSLグループ全体では社員22,000人を擁し、世界60ヵ国以上で救命に寄与する製剤をお届けしています。
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