Japan — 2017.08.28
CSLが 2017 年8 月28 日(現地時間)にオーストラリアで発表したプレスリリースを日本語に翻訳・編集したものです。内容および解釈は原文(英語)が優先します。原文掲載:http://www.csl.com.au/
バイオテクノロジー企業カリミューン社を買収
メルボルン、オーストラリア - 28/08/2017
• 稀少疾患や重篤な疾患の患者さんに対するCSL ベーリングの‟約束“の実現に寄与
• 遺伝子および幹細胞を用いた治療は、CSLベーリングのタンパク質をベースとする製剤領域を補完
• 鎌状赤血球の治療薬候補(CAL-H)はCSLベーリングの血液疾患用製品ラインと戦略的に合致
• 新たなプラットフォーム技術で、遺伝子治療実用化に伴う主要課題の解決を狙う
CSL Limited(ASX: CSL、USOTC: CSLLY)は本日、米国・カリフォルニア州パサディナおよびオーストラリア・ニューサウスウェールズ州シドニーに研究開発施設を持ち、体外造血幹細胞 (HSC)遺伝子治療の開発に重点的に取り組んでいる米国のバイオテクノロジー企業であるカリミューン社(Calimmune, Inc.)をCSLベーリングが9千1百万ドルを前払い金として取得することに合意したと発表しました。
これにより、CSLベーリングはカリミューン社の前臨床試験の資産である鎌状赤血球症やベータサラセミアの治療のためのHSC遺伝子治療CAL-Hを取得 します。CAL-Hは、CSL ベーリングの既存の製品ポートフォリオと血液学における高い専門性を補完するものとなります。
さらに、CSLベーリングはSelect+TMとCytegrityTM(詳細は後述参照)という2つの独 自プラットフォーム技術を取得します。これらの技術は、一貫した高品質製品を製造する能力および生着や有効性、忍容性を改善する能力など、幹細胞治療の実 用化に伴う主要課題の解決にむけて考案されたものです。いずれの技術も体外幹細胞遺伝子治療において幅広い応用が考えられます。
CSL Limitedの最高経営責任者兼マネジングダイレクターのポール・ペローは、次のように述べています。「カリミューン社は、患者さんとの約束を果たすと いうCSLの理念を共有しており、稀少疾患や重篤な疾患や症状を持つ患者さんの生活を改善することに重点的に取り組んでいます。同社の事業取得は、私たち の持続可能な成長戦略の遂行において、重要なステップの一つといえます。
カリミューン社の業績には目を見張るものがあります。彼らは堅牢な技術プラットフォームを構築し、HSC遺伝子治療の有望な候補であるCAL-Hを創出し ました。これらはCSLが持つ中核技術や重点治療領域を補完するものであり、当社の長期的戦略目標にも合致するものです。カリミューン社はまだ初期段階に ありますが、当社の強みとかけ合わせることにより、治療パラダイムを変化させるだけでなく、最も重要なこととして、私たちの患者さんの生活を大幅に改善す るとてつもなく大きな可能性を持つことができると信じております。」
カリミューン社の最高経営責任者であるルイ・ブルトンは次のように述べています。「私たちはCSLベーリングの一員となることを大変嬉しく思います。 CSLベーリングはタンパク補充療法に定評のあるグローバルリーダーであり、開発パイプラインにおけるイノベーションの推進や差別化された製剤を世界市場 に届ける実績を持っています。この度の統合により、当社の成果を次の段階へと進めることができるものと考えます。」
鎌状赤血球症およびベータサラセミアに対するカリミューン社の造血幹細胞遺伝子治療であるCAL-Hは、Select+TMシステ ムとCytegrityTMウイルス産生プラットフォームの両方を用いています。CAL-Hは前臨床試験において早期にポジティブ な結果を出しており、現在治療が不可能なこれらの遺伝性疾患に苦しんでおられる患者さんに、大きな改善をもたらすことができる可能性が示されています。
2つの独自技術は共に他の幅広い稀少疾患の治療に利用できる可能性を持っており、この可能性はCSLベーリングの現在の製品ポートフォリオと同社の事業を 補完することになるでしょう。
契約の締結
両当事者間で合意した条項に基づき、契約締結後にCSL ベーリングはカリミューン社の経営権を持ちます。前払い金に加え、両当事者間の合意には、契約の締結後およそ8年またはそれ以上と現在予想されている期間 におけるマイルストーンの達成に基づく最高3億2千5百万ドルの目標達成報奨金の支払いの可能性が含まれます。この取引は、さまざまな契約条件が満たされ ることを前提として、今後2週間以内に締結される見込みです。
追加となる研究開発費は、CSLが先に発表したガイダンスにより示されたとおり、今後数年間、R&D費用は年間売上の最大10~11%という枠内 に含まれる予定です。
CSLグループの利益見通しについても先のガイダンスおよび2017年度の決算報告で発表された内容から変わりません。
鎌状赤血球症およびベータサラセミアについて
鎌状赤血球症およびベータサラセミアは、身体のさまざまな部分に酸素を運搬する赤血球中のタンパク質であるヘモグロビンに影響を及ぼす遺伝性疾患です。こ れらは多くの臓器の機能を劇的に悪化させる慢性疾患で、深刻な病状や生活の質の不良、平均余命の短縮と関連しています。これら2つの疾患の重症型は依然と してアンメットニーズが高い領域で、鎌状赤血球症は米国人および欧州人の約15万人、ベータサラセミアは同じく約1万6千人が罹患しています。これらの疾 患の症状を軽減するための有効な治療法はありますが、疾患修飾治療はなく、多くの場合、定期的な輸血も必要です。
Select+TMについ て
Select+TMは、患者さんに戻された時に毒性が抑えられ有効性が向上するように、遺伝子組換え幹細胞の選択を行うことを目的 とした独自技術です。
CytegrityTMについ て
CytegrityTMは遺伝子治療のデリバリーメカニズムとして用いられるレンチウイルスベクター作製のためのスケーラブルな製 造技術です。
カリミューン社(Calimmune,Inc.)について:カリ ミューン社は、慢性疾患や難治性疾患から患者さんを解放する遺伝子治療の可能性の加速化に取り組む非上場企業です。この意欲的なゴールの達成を目指し、人 生を変える可能性を持つ製剤のデリバリー、製造および全体的な効率などを促進することのできる一連の技術を構築しました。カリミューン社の主たる開発プロ グラムは血液疾患のための新規の体外遺伝子治療です。
CSLについて:CSLは、世界をリードするバイオテクノロジー企業 であり、血友病や免疫不全、インフルエンザ予防ワクチンなど、生命を救うことのできる製剤で構成された幅広い製品ポートフォリオを有しています。1916 年の創業以来、私たちは最新技術を用いて生命を救うという約束に突き動かされてきました。現在、CSLは、事業会社であるCSL BehringとSeqirusを通じ、60ヵ国を超える国々で救命に寄与する製剤を供給し、2万人近い社員を擁しています。CSLのコマーシャル領域に おける強み、研究開発の集中、および優れたオペレーションを活かし、患者さんが充実した人生を送ることを可能にするために必要な革新を特定し、開発し、患 者さんにお届けしています。
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