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ピリヴィジェン®10%点滴静注(液状静注用人免疫グロブリン[IVIG]製剤)、慢性炎症性脱髄性多発根神経炎(CIDP)の治療薬として製造販売承認を取得

CSLベーリング株式会社(本社:東京都江東区、代表取締役社長:ジャン・マルク モランジュ)は、本日、2019年3月26日、「ピリヴィジェン®10%点滴静注(液状静注用人免疫グロブリン製剤、以下ピリヴィジェン)」に対し、末梢神経に障害を生じる希少な自己免疫疾患である慢性炎症性脱髄性多発根神経炎(CIDP)の筋力低下の改善と運動機能低下の進行抑制(筋力低下の改善が認められた場合)を効能・効果として、厚生労働省より製造販売承認を取得したことをお知らせいたします。

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CIDPは、日本で指定難病に認定されており、神経の電気信号を身体の他の部分へ伝える速度を速める役目を担うミエリン鞘が損傷し、結果としてしびれ感、筋力低下、疲労、その他の症状が現れます。CIDP の症状は再発再燃を繰り返し、著しい活動の制限や生活の質の低下につながるような経時的悪化を示す場合も少なくありません。適切な治療が行われないとCIDP患者さんのおよそ30%が車椅子に頼る生活になる可能性があります。[i]


ピリヴィジェンは、液状静注用人免疫グロブリン製剤(10%)であり、CIDPの急性期治療と維持療法における有効性を示し、良好な安全性プロファイルを有しております。また、最大投与速度4.8mL/kg 体重/時間が可能となり、即時使用ができるため、CIDPの患者さんや医療関係者の負担を低減し、CIDPの急性期症状と筋力低下後の改善治療と運動機能低下の進行を抑制できることが期待されます。ピリヴィジェンの安全性及び有効性は、日本を含む国際共同第III相試験(PATH試験)の再安定化期間及び救済治療期間、海外第III相試験(PRIMA試験)により評価されました。PATH試験においてはピリヴィジェン投与後4週時(急性期治療期間)、約50%の患者さんに症状改善が認められました。さらに、維持療法期であるピリヴィジェン投与後13週時において、少なくとも70%の患者さんで治療効果が維持されました。再安定化期間における副作用発現率は、27.5%(57/207例)でした。5%以上に発現した副作用は頭痛であり、その発現率は急性期治療期間で9.2%(19/207例)、維持療法期間で3.5%(7/201例)でした。救済治療期間中に認められた副作用のうち、5%以上に発現した副作用は、頭痛6.7%(4/60例)および悪心5.0%(3/60例)でした。

千葉大学大学院医学研究院 脳神経内科教授 桑原聡医師は、次のように述べています。「CIDPの治療では、運動機能低下の進行抑制はもちろんのこと、副作用の低減を考慮した長期の再発抑制を目指していますが、現在の治療法が全ての患者さんに有効というわけではありません。今回、日本人患者さんも含めて実施された大規模国際共同治験(PATH試験)において有効性と安全性が確認され、高いエビデンスを有する製剤が新たに承認されたことで、患者さんや医療関係者に、再発と病態の進行を抑制するCIDPのIVIG治療における新たな選択肢がもたらされることに期待しています。」

CSLベーリング株式会社代表取締役社長ジャン・マルク モランジュは、次のように述べています。 「ピリヴィジェンは、CIDPの治療薬として承認された、液状静注用人免疫グロブリン製剤(10%)です。CSL ベーリングは、長年にわたり世界的に、免疫グロブリン療法における専門性を有しており、この度、日本の患者さんやそのご家族、医療従事者の方々のアンメットニーズに応えることが期待される新たな選択肢が加わったことをうれしく思います。」

CSLベーリングは、世界中でいまだ解決されていない医療ニーズに応えうる製剤の開発に力を注いでいます。今後も日本において、充実した開発パイプラインを推進し、患者さんやそのご家族の生活の質の向上に寄与できる製剤を届けることに専心して参ります。

■ピリヴィジェン®〔pH4処理酸性人免疫グロブリン〕の製品概要

販売名

ピリヴィジェン® 10% 点滴静注5g/50mL、同10g/100mL、同20g/200mL

一般名

pH4処理酸性人免疫グロブリン

効能又は効果

・慢性炎症性脱髄性多発根神経炎の筋力低下の改善
・慢性炎症性脱髄性多発根神経炎の運動機能低下の進行抑制
(筋力低下の改善が認められた場合)


■CIDPについて

CIDPは末梢神経(脳および脊髄以外の神経)に障害を生じる稀な自己免疫性疾患です。年齢を問わず幅広い年齢層において発症する可能性があり、患者さんは女性よりも男性に多く見られます。米国の発症率は年約10万人に2人であり、患者数は約4万人と推定されています[ii]日本の有病率は、年10万人に1.61人であり、患者数は4,633人(平成26年度医療受給者証保持者数)と推定されています。[iii]

■ピリヴィジェンについて

液状静注用に開発された10%製剤であるピリヴィジェン(液状静注用人免疫グロブリン[IVIG] 10%製剤)は、CIDP治療を適応として60以上の国と地域で承認されています。海外で10年以上使用されており、安全性、有効性、忍容性を有し、年間10万人以上の患者さんに投与されています。この度、新たに日本でCIDPの治療薬として製造販売承認を取得いたしました。


【CSLベーリング株式会社(日本法人)について】

CSLベーリング株式会社は、生物学的製剤のグローバル企業であるCSLベーリング(本社:アメリカ)の日本法人です(本社:東京都江東区、代表取締役社長:ジャン・マルク モランジュ)。免疫・希少疾患領域、救命救急・止血領域、及び血友病領域を主要領域としています。
2016年に血友病治療領域に参入し、高いトラフ値を保ちながら、2週間に一度の定期補充療法を可能にした血友病B治療薬を上市しました。血友病領域では、さらに、2017年12月に国内初のシングルチェーン製剤である血友病A治療薬を発売致しました。
2017年9月には、ビタミンK拮抗薬服用中の患者さんの出血傾向を是正することを可能にした、日本で初めてとなる静注用人プロトロンビン複合体製剤を発売しました。 CSLベーリングは、日本の医療に、ひいては患者さんやご家族の生活の質の更なる向上に貢献してまいります。
https://www.cslbehring.co.jp

 

【CSLベーリング (CSL Behring LLC) について】

CSLベーリングは、生物学的製剤のグローバル企業です。患者さんのアンメットニーズに応えるため、最新のテクノロジーに基づき、血液凝固疾患、原発性免疫不全症候群、遺伝性血管性浮腫、遺伝性呼吸器疾患、神経系疾患などの治療に用いられる製剤を開発、提供しています。また、CSLベーリングの製品は、心臓手術、臓器移植、やけど、新生児の溶血性疾患の予防などにも広く使用されています。

CSLベーリングは、世界でも最大規模の血漿採取ネットワーク(CSL Plasma)を運営しています。親会社であるCSL(CSL Limited 、ASX:CSL)はオーストラリア、メルボルンに本社を置き、CSLグループ全体で従業員22,000人を擁し、世界60ヵ国以上で救命に寄与する製剤をお届けしています。

We are Driven by Our Promise™

https://www.cslbehring.com

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お問い合わせ先
CSLベーリング株式会社
コーポレート コミュニケーション
電話:03-3534-5735 Fax:03-3534-586


[i] American Association of Neuromuscular & Electrodiagnostic Medicine (2017). Chronic Inflammatory Demyelinating Polyneuropathy. http://www.aanem.org/Patients/Disorders/Chronic-Inflammatory-Demyelinating-Polyneurophathy  Accessed October 2017.

[ii] Laughlin R.S. et al. Incidence and prevalence of CIDP and the association of diabetes mellitus. Neurology. 7;73(1):39-45.

[iii] 難病情報センター:慢性炎症性脱髄性多発神経炎/多巣性運動ニューロパチー(指定難病14http://www.nanbyou.or.jp/entry/4090